前立腺がんの治療

前立腺がんの治療の方法を大別すると、待機療法、ホルモン療法(内分泌療法)、手術、放射線治療、化学療法があります。このうち、ホルモン療法手術放射線治療については、他のページで解説していますので、そちらをご覧下さい。ここでは、待機療法と化学療法について説明します。

待機療法とは、前立腺がんの治療を行わなくても余命に影響がないと考えられる場合に、経過を観察するだけで、積極的な治療を行わない方法です。具体的には、グリーソンスコアが6以下で、PSAの値が20ng/ml以下、病期がT2bまでの場合に用いられます。

副作用がないことなどのメリットがあるのですが、気持ちとして焦りを感じる人もいますので、そうした場合には担当の専門医に相談してみるのもよいでしょう。

化学療法は前立腺に抗がん剤で治療を行うものです。主に使われる場面は、ホルモン療法が有効でないと判断される場合や、すでにホルモン療法を行って効果がなくなってしまった場合です。

効果が持続する期間が短く、有効ではないと考える専門医もいましたが、ドセタキセルという抗がん剤によって、抗がん剤を前立腺がん治療に取り入れることで生存期間が長くなることが見込まれています。

どの治療方法を選択するにしても、まずは検査によって発症していることを見つけなくてはなりません。そして、その時期は早い方が完治の確率は高まりますし、生存率も高いままで維持できます。

前立腺がんの治療の成果は、患者さんの体力や気力、専門医が名医であるかといったことの他、治療開始の時期に大きく関係してくることに注意してください。いくら前立腺がんの名医を見つけても、すでに末期の状態になってしまっているのでは、行える処置の効果は限定的になってしまうこともあります。

したがって、治療の質や成果という点で考える時、スタートする時期については重要な問題となります。そして、この時期をコントロールできるのは病院よりも患者さんによるところが大きいという特徴があります。

検査を受けない方については、病院としても症状を発見することはできませんし、前立腺がんの治療方法について説明することもできません。治療の始まりは、患者さんが動き出すことが必要なのです。

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