前立腺がんの治療法

どの治療法で前立腺がんの症状を改善するかは、専門医としっかり話し合って決めることが必要です。相手は専門家だからと、任せきりにしないで下さい。大切な体のことですから、自分でも十分に納得できるようにしておきましょう。

不明点や曖昧なことを残してしまうと、そうした疑問が積み重なり、何が不明であるかが分からない状態になりかねません。自分の体のことですから、しっかり把握できるようにしておきましょう。

治療法については、病期(ステージ)やPSA値、悪性度、年齢、全身状態などによって判断します。また、前立腺がんの治療法は単独で用いられるだけではなく、それぞれを組み合わせて用いることがありますので、より効果が高まる方法を選択しましょう。

治療法によっては合併症や副作用の危険があるので、そうしたマイナスの面にも注目しておきましょう。症状は改善されても、新たに生じた問題が思いのほか大きくて後悔するようなことのないようにしてください。

また、待機療法を選択する場合には、何もしないことで安心する患者さんがいる一方、焦燥感に駆られる方がいるのも事実ですので、前立腺がんの治療法の選択によって、気持ちにも大きな影響を与えることがあります。

肉体的な側面で副作用や苦痛の軽減といったQOL(生活の質)に関する部分を整備することも大切ですが、精神的なケアも怠らないで下さい。治療法の選択によって安心感を得られないと感じるのなら、その旨を主治医と相談してみましょう。

また、基本的なことだけでも理解していると、主治医の話を理解するために助けになります。前立腺がんの症状や治療法としてホルモン療法や手術、放射線療法、化学療法があるといったことを知っておくと、話がスムーズに頭に入ってくるはずです。

初めて耳にする専門用語が多いと、判断の前に十分な理解ができませんので、病院以外の部分でも前立腺がんのことについて学んでおくと、意見を明確にすることができます。我を強く持ちすぎて主治医の話を聞かないのでは論外ですが、主治医に頼りきりというのも望ましいことではありません。あくまでも患者さんの体に関することですので、基本的な知識は持っておきたいところです。

主治医との信頼関係が不十分だと、なかなか踏ん切りがつかないこともあります。そのような場合には、無理に前立腺がんの治療法に同意するよりも、セカンドオピニオンを利用することもできます。主治医がセカンドオピニオンをかたくなに拒むようであれば、治療法を検討する前に、病院を変えることを考えた方がよいかもしれません。

治療法の選択は、今後の人生を大きく左右する決定ですので、慎重に慎重を重ねたいと考えるのは患者さんとして当然の心理であり、それを理解できない専門医は名医でないばかりか、信用に値するかも疑わしくなってしまいます。治療の質に関わってくる人物ですので、主治医選びには万全を尽くしてください。

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