前立腺がんの骨転移とは

骨は前立腺がんがもっとも転移しやすい部位となっています。骨転移がある場合5年生存率はおよそ30％程度で、期待余命の中央値は2年から3年程度、病期（ステージ）では病期Dに分類されます。

前立腺がんの骨転移の原因

癌細胞が血液で運ばれて骨に到達すると、古くなった骨を壊す働きを持つ破骨細胞の力で増殖できる状態を作ります。さらに骨が壊れると癌細胞の増殖を促進する細胞増殖因子が放出され、癌細胞の働きが活発になります。

高頻度で転移する部位として、骨盤や腰椎、胸椎があります。

症状としては、体を動かす際や夜間に腰や足の付け根に痛みを感じることが多くあります。また、脊椎の神経を圧迫すると、手足のしびれやの麻痺を生じることがあります。さらに、骨折をしやすくなる場合がもあります。

全身の状態を調べるために有効なのが骨シンチグラムです。局所であればMRIも有効です。CTによって、骨転移の程度を調べることもあります。悪化してくると、単純X線検査でも分かるようになります。

原発巣に対する治療のほかに、骨転移の症状を和らげることや、進行を遅らせる治療を行うことがあります。

ビスホスフォネート
進行を抑えるために用いる薬で、破骨細胞の働きを抑える働きを持ちます。

放射線治療
放射線を照射することによって、痛みの緩和や骨折・骨髄圧迫の予防をすることができます。

手術
骨を補強することや骨折を治療するほか、手足のしびれや麻痺の治療に用います。

鎮痛剤
飲み薬や座薬を服用することで、痛みをコントロールします。